2012年11月14日

『白夜』

ロベール・ブレッソン 1971年
1978年日本公開以来の一般上映・ニュープリント
−−−−−−−−−
『シルビアのいる街で』ってマルトに出会わないジャックの物語だったのか!対象も本人もとにかく移動し続けるストーキング、垢抜けない服装(茶ベース)、女の絵。すべてジャックと一緒だ、と勝手に発見した気分。
気になって検索してみたら、『シルビア』公開当時もちろんそのことは既に指摘されていました。(Dravidian Drugstoreさま)今回『白夜』を観たおかげで逆に『シルビア』がちょっと分かった気がする。
ちなみに松本零士デザインの隅田川遊覧船も、1971年のパリで航行してた。

ニュープリントということで、ほとんどが夜のこの映画の、闇ににじむ光の美しさが際立つ。ポンヌフの橋脚の間を船(特に零士船)が抜ける時の美しさといったら。
光といえば窓越しに差し込む昼の光にとける産毛とやわらかな曲線。明るい光の中のマルトの裸体も美しすぎる。
それにしても、フランス映画でしかお見受けしない、寄せもしないし上げもしない、白レース一枚っぺらのブラジャーはエロスがすぎないか、と見るたびに思う。

ロベール・ブレッソンのイメージって『スリ』とか『ジャンヌ・ダルク裁判』などの張りつめた空気なので、『白夜』はちょっと意外だった。コメディぽい、よね。唐突に訪ねてくる元学友や、毎晩唐突に画面にインしてくる歌うたいたち、そしてラストのジャックの茫然自失などの「唐突」感に笑いを誘われたのは、映画館で観た感じでは、たぶん私だけじゃなかったし。あ、でも『バルタザール〜』でも、そっちかよ!と突っ込み笑いしたか。

蛇足。『(500)日のサマー』をDVDで観たばっかりだったので、マルトってサマーの系譜?・・・と思ってたらそれもtweetしてる人がいた。やっぱり。

2012年11月13日

ペコロスロケ

時々ペコロス(森崎監督)ネタ。
久しぶりに『ペコロスの母に会いに行く』のfacebook(リンク)を見て、9月頃に多く掲載されているロケ写真を眺めてはにやにやする。
『ニワトリ』の時は知らなかった無知者なので、森崎東監督の現在進行形の「監督」姿をこうして見られるなんて本当にありがたくて嬉しい。
監督姿じゃないけれど、9月27日に投稿されている森崎ご夫妻の2ショットなんてオシャレで素敵です。新文芸座の原田芳雄さんの追悼特集でのトークショーで拝見した時は、もう本当におじいちゃんだなあ・・・というたたずまいだったのに(トークの韜晦ぶりはかっとばしてたけど)、なんなんでしょうこの若々しい感じは。
原作のまんがを、一人でも映画の観客を増やそうという邪念から周囲の人に貸したりしているのだけど、みなさんとても高評価。原作もよし監督もよし。
確か、2月のランタン祭りを撮影して編集に入るんだたっかな。完成が楽しみでしょうがないす。

2012年11月09日

本宮映画劇場と小さな映画館たち

そういえば、先週の「ナニコレ珍百景」に何と本宮映画劇場が出ていた(拙ブログ)。
たまたま見ていて、あのピンクの建物が映ったのでびっくり。番組ではコンパクトに劇場の歴史や現状が紹介されていて、見ながら、「珍」じゃねえし、重文級だし、この映画館の歴史1つでドキュメンタリー1本つくれるし、とぶつぶつ言うものの、動く映像で館主の田村氏と劇場を見ることができて嬉しかった。
こうやってメディア露出していくことが、館主さんと劇場にとって望ましい方向に進む後押しとなるといいな。

都築氏の記事以外の情報を求めてネット検索して見つけた映像作家さんのブログでも、本宮映画劇場への訪問記(ロケ記)が記されていて、それも素敵な感じだった。(森田惠子さんの「春の海 ひねもすのたり のたりかな」)
この方は現在、地方の小さな映画館のロケを続けていらっしゃるらしく、都度、ブログでさまざまな映画館や運営している人たちが紹介される。小さな映画館がいろんな町で頑張っていることを知るのが楽しいだけでなく、この方のように、そういった映画館に注目して取材をしている方がいるということに嬉しくなる。
自分はたまたま東京という日本では最も映画を観るに困らない土地にいるけれど、そうではない多くの土地で映画を観ることを愛する人たちが奮闘していて、そういう人たちを取材しているひとがいて、そうやってつながっていくことがきっと、映画を殺さないために大事なことなんだろうなと思う。

自分は何もしないでこうして戯言言ってるだけなんですけどねえ。

2012年11月06日

『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』

早稲田松竹にて『捜査官X』に続き鑑賞。
こちらは間違ってはいない邦題で内容をほぼ全部説明。
中国のこういう娯楽大作をあまり観たことがないので(ツイ・ハーク作も初めて)、この作品が他と比べてどうなのか分からないけど、ちゃんとしたCG、セット、アトラクション性、起承転結と、あまりにきちんとしたあられもない娯楽作ぶりに感心。宣伝文句の「大・仏・崩・壊!」を存分に楽しんだ。
まあ、ドニー兄貴に続けて観ちゃったので、ワイヤーアクションがすぎるのには若干げんなりしたけど。
しかし、アンディ・ラウの男前ぶりは文句の付けようがないなー。どんなに汚くしても大丈夫。
女帝の髪型が毎度すごいことになっているのにもほれぼれした。全体として、コスプレ劇としても楽しめる。白子の子はもう一癖あるのかなと思わせといてただのちゃんとした子だったのが、せっかくの濃いキャラだったので残念と言えば残念。それはでも、レオン・カーフェイの方に集中させたのか。
「亡者の市」の中国版カリブの海賊+インディ・ジョーンズぶりにはわらっちゃったけどワクワクもしてしまう。。。アメリカだったらテーマパーク前提でこの設定出してるとしか思えないくらいの作りこみ。
まあ、くるっとまとめて、火炎虫が怖すぎるっていう話。
実在しなくて良かったです。

2012年11月04日

『捜査官X』

『葉問』ですっかり夢中ですよ、ドニー・イェン。というわけで、ドニー兄貴のアクションを堪能して満足。気弱そうな笑顔が似合いすぎるビジュアルにしてあの強さ、速さ。もうねえ、ぐっときます。
そして、葉問もそうだったけど、ドニー兄貴の嫁役はつつましくも芯の強い、美しくもかわいらしい人が良く似合う。
屋根に牛がいるとか、橋の真ん中の東屋とか、滝上の牛舎とか、古きよき(?)雲南の景色も美しすぎて、ドニー兄貴が畑を歩いていくクレーン撮影はずるいくらいの味わいだし、草原で暗殺集団が横たわるドニーの周りを馬でぐるぐる回るのとか、キメキメすぎる気もするけど参った。暗殺集団の登場シーンあたりは昔の忍者ものドラマみたいで笑ってしまったが。
それにしてもだ、前半の金城パートと後半のドニーパートで別映画みたい。金城捜査官の偏執狂が暴走した推理かと思いきや、それは天才的推理で大正解でしたっていうのは、結局前半からネタバレしてただけみたいになってるし、金城くんに設定盛り込みすぎて放置したまま終わってる感じだし、2部構成に失敗した感じ。あくまでもドニー兄貴を軸にして、重要な狂言回しの役に抑えてれば良かったのになーと思ってしまう。金城氏が悪いんじゃないんだけどね。むしろ、年齢重ねて良い感じになってきたなーとしみじみしてしまった。

線香を使った目覚まし時計装置が映画の創作なのか実際にあったものなのか気になる。
邦題には違和感。動員がより見込めそうな金城メインで宣伝したわけだな。2人主役だし、どちらかというとドニーメインなので、金城メインだと思って観ると調子狂っちゃうと思う。

2012年11月01日

『ハンガー・ゲーム』

『ウィンターズ・ボーン』のヒロインが主人公なので観に行ってみた。三部作なんてことをまるで知らずに観たものだから、エンドロールに「ハンガーゲーム2日本公開決定!」とか出されて、どおりであらゆるエピソードほったらかしだよな、まるっと1本伏線かよ!とちょっとムッとした。なんかなー、1作目というより、エピソード0みたいなんだもの。
まあ、そもそもの目的がジェニファー・ローレンスなので、たとえ、父の不在、弱い母、守るべき幼いきょうだい、私が戦うしかないじゃんか!と主人公の置かれている状況が『ウィンターズ』そのままだとしても、健康的な肉体美と強すぎる目力と揺らぎのあるかわいさは存分に楽しめたし、レニー・クラビッツはじめ、その他のキャラクターもなかなか良くて楽しめたんですけどね。ルーは素直にかわいいし。あと、パン屋の息子の恋が本物だと分かるくだりとか、若い恋の描かれ方もきらいじゃない。
特権階級と被支配層の極端な2極構造とか、「特権」のビジュアルとか、映画的にはかつてどこかで見たような感じで特に目新しくもないのだけど、これは分かりやすさを優先することで現実世界のカリカチュアであることを強調したかったのかな。
ただし、これは最近のその他ハリウッド映画に多いのだけど、戦いの映画なのに、動きすぎるカメラと切りまくるカットでアクションをまともに映さないていうのは大いに不満ですよ。
ちょっと時間の経った今となっては、1で出てきた面々(特にキャピトルの大人たち)が次にはどう動くのか楽しみでもあって、きっと2も観ちゃうんだろうけど、パン屋の息子が嫌な役柄に転落してたら悲しすぎるなあと危惧してます。その可能性があるラストだけに。

北方謙三の『水滸伝』『楊令伝』を最近読んだせいで、個人的に「弓」が熱いのだけど(これも観た理由のひとつ)、今年は『神弓』(未見)もあったし、映画的にも弓きてるんですかね?あ、でも前からロビン・フッドは弓ひいてるか。

2012年10月31日

『思秋期』

これは予告編が上手かったかな。曲をまるまる流す葬式のシーンとか、ラストへの持っていき方とか、後半ちょっと叙情に流れすぎた感じ。強度が足りないというか。抑えられない怒りの衝動は本当につらくて悲しい。だからこそ、もっと主人公がその衝動を抑えられなくて翻弄される様も見たかった。主人公の家の中がきれいすぎるのもちょっと不満。
とはいえ。ハンナのだんなのエディ・マーサンのぬめぬめ感は存分に怖気持ち悪くて良かった。「マイ ブルーイ」の「それでも信じてる」顔のアップと白い前足。それにやっぱりピーター・ミュラン。たてたてよこよこに格子状に走るおでこのしわ。歩き去る女に「ハンナ」と呼びかける際に特に際立った、低くてつぶれた、なんとも味わいのある濁声。ランニングシャツに血のりの似合う男ピーター・ミュランの味わい深さを存分に堪能。

男の子の「ママの恋人」が主人公に犬をけしかけるのはいいとして、なぜ緩みきった上半身裸の腹に引き綱を巻く?えらく間抜けで笑えたんですが、あの散歩の仕方は北イングランドでは普通ですか?
もひとつ。アッパークラスの長屋住宅より、多少くたびれているとはいえ、ローワークラスの庭付き独立住宅の方が、魅力的に見えちゃう。ていうのは日本人の感覚か。

2012年10月30日

『アウトレイジビヨンド』

キャヒンキャヒン吠えまくった挙句にびびりしょん。加瀬亮の小型犬ぶりがもう完璧なまでに小型犬ですばらしい。山王会が続々とやられていくあたりの、無言でざくざく歩く高橋克典とか、乾ききった世界に響く銃の音の連続ていうのがジョニー・トーを思わせたり、それが個人的にやたらうれしかったり。ちょい役の新井浩文がすごくいい顔してたり。たけしの出てくるシーンがむしろほっとするくらいの殺伐さ。前作であれだけ死んでも、日本にはまだこれだけ強面の俳優さんがいるんだな、ということに何やら嬉しくなったり。一人一人語りたいくらい皆さんいい顔してるんだよなー。そんななかで光石研は貫禄のかけらもないのがステキ。そしてあのラスト。
鈴木氏の音楽もとてもよかったのだけれども、これもまたちょっと香港映画を匂わせたような。
殺伐の連続。笑い。複雑に絡み合う思惑。それをこんなふうにカッコよく見せられて満足しないわけない。『アウトレイジ』に続き面白すぎる。
あーそれと、松重さんを最近一番良く見るのが「孤独のグルメ」なせいで、料亭で一人残された松重さんが舌鼓をうつ幻影が見えた。

2012年10月20日

ベルクラヴ!

ちょっと前の情報になりますが、ついについに、ルミネさんがベルク撤退をあきらめてくれたみたいですね!

9月末までに届かなければいけない退店勧告の通知が来なかったということです。この時点で2年間の更新が自動的に決定です。
それに、2007年から続くこの騒動、ついにルミネさんも「お客様からのベルク営業継続を求める声、2万名近い署名を無視できない、とはっきり表明して下さいました。」とのことです。
ざまーみろ!と言いたいところですが、当事者の方たちが決してそのような暴言は吐きませんので、ここは一言。うれしい。

詳しくかつ簡潔には、公式ブログの店長さんからのご報告をお読みください。
http://norakaba.exblog.jp/

もろもろのストレスに負けずにずっと同じ「ベルク」さんでいつづけてくれたことに本当に感謝。
そして非積極的活動者である私は、「ラブベル」のみなさまにももちろん感謝。(http://ameblo.jp/love-berg ラブベルさんのブログのほうはかなりこう、私の心情を代弁してくださってます(笑))

最近はめっきり行ってないんですが(といってもたまに土日に行こうとしても大体ぎゅうぎゅう)、やはり新宿における心のホームグラウンド。

本当にうれしいです。
ルミネさん、これからもベルクさんをよろしくおねがいします!

2012年09月22日

そういえばフジ4+そうしてフジでした

宴の終わりの月曜朝は、初の苗場温泉。女子は待たずに入れた。外で待たされる分、中で待たされることはないというシステムなんだね。
テントもたたみ、後はバスを待つばかり。
というわけで、朝ごはんをピラミッドガーデン内の常設レストランで。1日を持ちこたえるエネルギーは必要ないということで洋食セットを頼んでコーヒーなどたしなむ優雅な朝。
そろそろ良かろうとツアーバス乗り場に行くと、新宿行きは既に搭乗開始。あれよあれよという間に苗場よさらば。この直後に大雨だったらしい。
観光バスですら月夜野までの道のりに酔うという発見をしつつも順調にバスは走りそして着く。
友人たちがそれぞれに帰り道に蕎麦を食しているという報告に引きずられ、無事に帰りついた我が家で洗濯機ぐるりとまわしたあとに、近所の蕎麦やで軽く呑みつつ蕎麦手繰る。
うまい蕎麦とため息。
ああ、良い休日でした。

今年のベスト飯は、場外のカウボーイ飯と骨付き鳥。次点、ラムチョップ。モヒート。入賞、シュラスコ屋のポテト。
今年のベストアクトは、BUDDY GUY。次点、ED SHEERAN。次次点、ONDA VAGA。衝撃賞、tricot。

とにかく暑い中存分にだらだらとがんばった。暑いせいか肉ばっか食べてた。
プリンスのたこ焼きもおいしかったから、来年はもっと売れると良いと思う。
ここにあげたベスト飯とベストアクトと象印さんのお茶と、苗場で会えた友人たちのおかげで、今年のフジロックも最高に楽しかった。感謝。

まあ、少しは雨降れ(除テント設営時+撤収時)。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。