2014年06月08日

記憶される場としての映画館

バウスシアター6月10日に完全閉館。
映画館としてはもう終わっちゃった。
6月中旬以降から機材の搬出も始まるらしい。

たぶんきっと、初めてバウスに行ったのは1994年のナイロン100℃公演。
次に訪れたのはたぶん10年後、2004年の爆音『グリーンデイル』。
その後は吉祥寺周辺の東だったり西だったりの町に住んでいるので比較的通って(boid企画以外の普通のロードショー番組もたびたび観る)10年。2014年。
バウスシアターが特異な劇場であるからこそ、出会いがあって再会があったとつくづく実感する経緯だなと思う。

初めてサンロードをぐんぐん進みバウスタウンまでたどり着いたとき、商店街の先にぽかりと開けた空間に虚を突かれ、その空間が醸す周りとは違う空気に圧倒された。
(今考えるとその時バウスはまだ開館して10年なんだけど、昔っからあるように見えて)商店街の中にこういう空間があるっていうことは、その町に歴史的な豊かさがあるからで、やっぱり吉祥寺ってのはおしゃれな町だなと思ったんだったか。
私が生まれ育った東京近郊のベッドタウンなんていうのは、そういう空間は望むべくもない、中途半端な新興住宅街、歴史ある地方都市でもない町だから余計そう思ったのかも。
そんなふうに初めてバウスタウンの全景を見たときのことを覚えている。

去年閉館してしまったシネパトスも、初めて行った時の印象は強烈で(やっぱり20年位前、地下商店街は閉館頃よりずっと暗くて猥雑な雰囲気だった)、映画の題名は覚えていないけど、地下通路の橋にふきだめられていた弁当ガラなんかを覚えている。あの地下街がなくなるのは銀座という町にとっての損失。
そして新たに閉館の知らせが出た三茶シネマ。つい去年、初めて足を踏み入れてやはり強烈な印象を与えられた。中央劇場と合わせてのあの路地の景色も感動的だった。あの景色がなくなるのは三茶という町にとっての損失。

なくなることが、一つの景色がなくなることにつながる映画館たち。町の一部としての町の映画館。その喪失は、その町の都市としての豊かさの喪失だと思う。多様性と多層性こそが都市としての豊かさなのだから。もはやあっちこっちで言われている「吉祥寺はもう終わったな」というのはつまりそういうことだ(映画館に限らずね)。
シアターNの閉館も映画ファンとしてショックだったけど、ああいう都市の映画館がなくなるのとはまたまったく別の問題がここにはある。

復活劇はもう起きないのか、起こせる可能性はあるのか。
あるのなら、どうにかしたいもんです。

2014年05月26日

吉祥寺バウスシアター再生へ向けて

バウスシアターをなくさないための取組みが始められたようです。
Baus on Baus 吉祥寺バウスシアター再生へ向けて

バウス閉館の報にただショックを受けて、せめて最後までバウスを楽しもうとしかできなかった自分には、ありがたく、そして頭が下がる思い。

いったい何がどうなれば本当にバウス閉館を覆すことができるのかわからないけれど、この署名運動の要望は訴えてよいものだと思ったので私も賛同させてもらいました。
(失礼ながら)もしもこれが悪あがきだとしても、悪あがきできる場をこうして作ってくれた人がいるのだから、これ幸いと悪あがきに乗っかるしかない。
ふがいない自分を恥じるのは自分で勝手にやる。
バウスを愛する人々だけでなく、町にとってのこういった場所の重要性に気づいている人々にどんどん乗っかってほしい。もしどうしようもなく今のバウスがその形をなくしてしまうとしても、悪あがきの記録と記憶は次の「バウス」を創出するための力にきっとなる。

2014年05月23日

マーティンといえば

フリードマンじゃなくて。
『ホビット』やら『ワールズ・エンド』、ワトソン君としてもご活躍のフリーマン、が、『銀河ヒッチハイクガイド』の主役(の一人のアーサー)だってことに、ついこの間気がついたー・・・。かなり好きな映画なのに。
当時はモス・デフかわいいよかわいいよと思って観てたせいなのか、「平凡なイギリス人」役をあまりに完璧に演じたマーティン・フリーマンの力量のせいなのか?全然気づいてなかった。
改めて写真とか見るとマーティン老けたなと思うけど、『銀河』ってもう9年も前の映画になるんだ。。。小さくなった気もするのだが、それはホビットのイメージのせいか。
オープニングの、魚をありがとうの歌(ニール・ハノンは近頃何してんだろうと思って検索したらオペラ作ったりしてんのね。さもありなん。)は未だに時々脳内ラヂオにかかる。久しぶりに観たいな。

あ、映画ブログ的にはマーティンといえばスコセッシって書くべきか。


※追記:フリードマンはマーティンじゃなくてマーティだ。失礼しました。

2013年05月12日

2013年の映画(更新)

4月分更新
−−−−−−
12年の見逃しメモが思いのほか自分自身に好評だったので、
2013年もメモ付けていこうかと思います。
基本的には月初更新の予定です。
公開日順、カッコ内は観た月、▲は未見作または二番館待ちです。
旧作未記入。

2012年12月
ホビット思いがけない冒険(1)
ルビー・スパークス(1)

1月
ロンドンゾンビ紀行(1)
LOOPER ルーパー(1)
テッド(2)
▲アルマジロ
コック・ファイター(2.1974作だけど、劇場初公開・ニュープリント)
▲狼たちのノクターン 夜想曲
▲塀の中のジュリアス・シーザー
▲みなさん、さようなら
▲人生、ブラボー

2月
アウトロー(2)
ムーンライズ・キングダム(2)
奪命金(2)
先祖になる(2)
▲故郷よ
ゼロ・ダーク・サーティ(2)

3月
ジャンゴ 繋がれざる者(3)
▲ダークホース
▲ダークシステム 完全版
▲あれから
CABIN(3)
シュガーマン(3)
▲偽りなき者
ザ・マスター(4)

4月
▲ホーリー・モーターズ
▲君と歩く世界
▲天使の分け前
リンカーン(4)
セデック・バレ(4)
アイアンマン3(5)
▲孤独な天使たち
▲ウイ・アンド・アイ

**************
この先分。気になっている映画メモ。

三姉妹 雲南の子(5/25)
オブリビオン(5/31)
ペコロスの母に会いに行く(2013)

2013年01月21日

2012年ベスト映画

2012年に観た映画、新作49本という少ない中でのベスト10本

ベストは『カルロス』3部作。
これはもう、圧倒的に贅沢な映画体験。

次点『ザ・レイド』
これもう、圧倒的なアクション。

あと、何とか8本選ぶとこうなりました。

『ミッドナイト・イン・パリ』
『THE GREY 凍える太陽』
『キツツキと雨』
『かぞくのくに』
『フランケンウィニー』
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
『無言歌』
『アウトレイジビヨンド』

良い映画は他にもあるけど、よりインパクトのあったものとか、ひいきにしたいものてことで。
もちろん見逃し映画もあまたあるので、私が観た映画一覧は「2012年の映画」でご確認いただければと思います。

2012年公開作以外は37本。
『光のほうへ』と『ウィンターズ・ボーン』は2011年中に観ていたら確実にベスト10に入れた。
古い映画では、『アフリカの光』と『夫婦善哉』『新夫婦善哉』が妙に印象に残ってる。
特に『アフリカ』の田中邦衛。。。

2013年01月20日

三茶にお宝−三軒茶屋シネマ−

初の三軒茶屋シネマ。
お宝映画館がこんなところに残っていたのかー。知らなかった。
知っている方には何をいまさら、の感想を以下に。

その存在自体は以前から知っていたけど、なぜか足を運んでいなかった2番館。
大通りから映画館のある脇道に入ったとたん、ぐふぐふと笑みがこみ上げてしまった。
堂々とした三軒茶屋シネマの看板、そのすぐ奥には三軒茶屋中央劇場の立派な建物。さらにその隣には昔ながらの鯛焼き屋さん。ひどく絵になる路地。たとえ三茶シネマの1階が肉のハナマサであろうとも、その真っ黄色さえ味わいに純化される力強さがこの2館の看板にはある。
中央劇場の単独建築と河童の看板、入り口上にある「特選映画封切場」の歴史遺産感は文句なしにすごいけど、三茶シネマの1階ハナマサ、はおいといて、2・3階映画館、屋上バッティングセンターという昭和娯楽ビルだったのであろう取り合わせもすごく良い。
ついでに言えば、この周辺は小さな酒場が並ぶ入り組んだ細い路地がひろがっていて、その小さなスナックやパブの半分くらいはさすがの三軒茶屋なので若い世代のお洒落なカフェやバルに代替わりしているのだけど、映画館に出入りするのは不良と言われた時代の、歓楽街と映画館のとりあわせもなんとなく味わえて楽しい。
地方都市が元気だった頃の地方都市、が、三軒茶屋に残っている感じ。

で、三軒茶屋シネマ。
ハナマサの脇にかろうじて両開きドア1枚分の入口、その脇にある小さなもぎりの窓口。ドアを入って階段を登るとこぢんまりとしたロビー。窓からの明かり、家にあるようなソファ。ガラスケースには袋菓子が丁寧に並んでいる。
ドアはなく、それぞれの入口に若いスタッフさんのセンスと思われる青と赤の暖簾のかかったトイレ。和式。ああ、これは古い学校の体育館のトイレみたいな。。。
劇場の中は2階構造。段差のない前側と、そこから130センチくらい高いところから始まる急角度の階段席。結構高さがあり、柵のすぐ脇の席だとスクリーンにかかってしまいそうな転落防止柵がぐるりとそれを囲んでいる。後方席の真ん中(つまりスクリーンど正面)は後方出入口への通路で席はなし。。。
段席の中ほどで、スクリーンをやや見下ろす高さ。
赤いビロードの座面の古くて背もたれも低い、幅も小さな椅子。ただ、やや見下ろす角度だったせいか、2本見ても特段つらくはなかったのは意外。
場内の照明は蛍光灯で、点くか消えるかの実直勝負。ゆっくり暗くなるとかできませんから。
これはまたあれだ、古い大学の講堂みたい。

1本見終わって(裏切りのサーカス)、2本目(デンジャラス・ラン)までの間に、自分が東京にいる感が希薄になる。奥深い。深すぎる。
ここは地方都市?それとも今は昭和?てなトリップ感を存分に楽しむ。
座席やトイレまでリニューアルされずにそのまま現役なのがすごいなと。当然、早稲田松竹や新文芸座に比べるとすわり心地などは劣る。
でも、見心地は悪くはないし、館内はとても清潔に保たれている。
ようするに、味わいのある良い映画館。

単に観たい映画がやっていたから行っただけの映画館で、映画館自体をこんなに味わえて嬉しくなってしまった。いずれお隣の中央劇場にも入ってみたい。

2013年01月09日

2012年の映画(更新)

*10月28日のものを、2012年のまとめとして更新しました。
今年もたくさん見逃したー。
今年の、何でこれ観てないんだ私のバカ大賞は『戦火の馬』。
なんだか機会のがしちゃったんだよね。
どこかでやってくれないものか。

今年もあと2ヶ月となって、今年も観逃した映画がたくさんあるわーと振り返ってみたついでに、今年観た映画と観逃した映画の一覧作ってみました。(除名画座・イベント上映←これ入れると収拾つかない・・・)

公開順・公開月毎。題名後の括弧内の数字は観た月です。
二番館で観たものも結構あるので観た月は前後しています。
頭に▲が付いているものが気になったけど観逃したりで観てない映画。
(これまでの一覧はwikipediaから引用させていただきました。「2012年の日本公開映画」)

まあ、私の興味のある映画が分かるだけの自己用メモです。すみませぬ。

**************
(12月)
永遠の僕たち(1)
無言歌(1)
灼熱の魂(9)

1月
▲テトロ 過去を殺した男
哀しき獣(1)
アニマル・キングダム(1)
J・エドガー(1)

2月
人生はビギナーズ (7)
▲東京プレイボーイクラブ
▲タンタンと私
ポエトリー アグネスの詩(3)
▲ニーチェの馬
キツツキと雨 (7)
▲メランコリア
▲汽車はふたたび故郷へ
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(6)
Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2)

3月
ヒューゴの不思議な発明(6)
▲戦火の馬
▲世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶
▲ピナ・バウシュ 夢の教室
イップ・マン 誕生(DVDで)
▲少年と自転車
ヘルプ 心がつなぐストーリー(9)
ドライヴ(4)
▲ルート・アイリッシュ

4月
アーティスト(4)
別離(9)
ジョン・カーター(5)
バトルシップ(5)
捜査官X(10)
▲孤島の王
ル・アーヴルの靴みがき(5)
▲容疑者、ホアキン・フェニックス

5月
王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件(10)
▲ムサン日記 白い犬
さあ帰ろう、ペダルをこいで(かつてユーロ映画祭で)
ファミリー・ツリー(9)
ダーク・シャドウ(5)
サニー 永遠の仲間たち(6)
ミッドナイト・イン・パリ(6)

6月
▲ファウスト
▲幸せへのキセキ
▲ブラック・ブレッド
▲アタック・ザ・ブロック
きっと ここが帰る場所(7)
▲クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち

7月
ダークナイト ライジング(8)

8月
かぞくのくに(10)
▲トガニ 幼き瞳の告発
▲ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳
▲セブン・デイズ・イン・ハバナ
▲Virginia/ヴァージニア
やがて哀しき復讐者(9)
アベンジャーズ(8)
THE GREY 凍える太陽(9)
▲WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々
プロメテウス(8)
▲メリエスの素晴らしき映画魔術

9月
最強のふたり(9)
カルロス(9)
ディクテーター 身元不明でニューヨーク(9)
▲そして友よ、静かに死ね
ライク・サムワン・イン・ラブ(9)
▲スケッチ・オブ・ミャーク
▲これは映画ではない
▲壊された5つのカメラ
ハンガー・ゲーム(10)

10月
アウトレイジ ビヨンド(10)
▲桃(タオ)さんのしあわせ
▲宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
思秋期(10)
アルゴ(11)
エクスペンタブルズ2(11)
白夜(11.旧作だけどニュープリント、単品上映)
ザ・レイド(11)
▲高地戦

11月
カリフォルニア・ドールズ(11.旧作だけどニュープリント、単品上映)
黄金を抱いて翔べ(11)
▲長良川ド根性
▲バビロン2 THE OZAWA
人生の特等席(11)

12月
恋のロンドン狂想曲(12)
フランケンウィニー(12)
はちみつ色のユン(12)

2012年11月13日

ペコロスロケ

時々ペコロス(森崎監督)ネタ。
久しぶりに『ペコロスの母に会いに行く』のfacebook(リンク)を見て、9月頃に多く掲載されているロケ写真を眺めてはにやにやする。
『ニワトリ』の時は知らなかった無知者なので、森崎東監督の現在進行形の「監督」姿をこうして見られるなんて本当にありがたくて嬉しい。
監督姿じゃないけれど、9月27日に投稿されている森崎ご夫妻の2ショットなんてオシャレで素敵です。新文芸座の原田芳雄さんの追悼特集でのトークショーで拝見した時は、もう本当におじいちゃんだなあ・・・というたたずまいだったのに(トークの韜晦ぶりはかっとばしてたけど)、なんなんでしょうこの若々しい感じは。
原作のまんがを、一人でも映画の観客を増やそうという邪念から周囲の人に貸したりしているのだけど、みなさんとても高評価。原作もよし監督もよし。
確か、2月のランタン祭りを撮影して編集に入るんだたっかな。完成が楽しみでしょうがないす。

2012年11月09日

本宮映画劇場と小さな映画館たち

そういえば、先週の「ナニコレ珍百景」に何と本宮映画劇場が出ていた(拙ブログ)。
たまたま見ていて、あのピンクの建物が映ったのでびっくり。番組ではコンパクトに劇場の歴史や現状が紹介されていて、見ながら、「珍」じゃねえし、重文級だし、この映画館の歴史1つでドキュメンタリー1本つくれるし、とぶつぶつ言うものの、動く映像で館主の田村氏と劇場を見ることができて嬉しかった。
こうやってメディア露出していくことが、館主さんと劇場にとって望ましい方向に進む後押しとなるといいな。

都築氏の記事以外の情報を求めてネット検索して見つけた映像作家さんのブログでも、本宮映画劇場への訪問記(ロケ記)が記されていて、それも素敵な感じだった。(森田惠子さんの「春の海 ひねもすのたり のたりかな」)
この方は現在、地方の小さな映画館のロケを続けていらっしゃるらしく、都度、ブログでさまざまな映画館や運営している人たちが紹介される。小さな映画館がいろんな町で頑張っていることを知るのが楽しいだけでなく、この方のように、そういった映画館に注目して取材をしている方がいるということに嬉しくなる。
自分はたまたま東京という日本では最も映画を観るに困らない土地にいるけれど、そうではない多くの土地で映画を観ることを愛する人たちが奮闘していて、そういう人たちを取材しているひとがいて、そうやってつながっていくことがきっと、映画を殺さないために大事なことなんだろうなと思う。

自分は何もしないでこうして戯言言ってるだけなんですけどねえ。

2012年07月25日

プロジェクトBOO

別にペコロスが公開されるまで映画断ちをしているわけではなく、普通に観てるんですですけどね、筆不精。
7月15日にはフィルムセンターさんで『プロジェクトA』→『Mr.BOO』という、まあなんというか自分の世代向けとしか言いようのない2本を鑑賞。

幼少の、自我の確立する前から数知れぬほどテレビで繰り返し見た『プロジェクトA』。
スクリーンで(しかもフィルムセンターの大画面で)観られるということでいそいそと行きまして。スクリーンで見るのも、ノーカットで観るのも、字幕で観るのも初めてでしたがもう素晴らしくて。いや、内容以前にオープニングであの曲がかかった瞬間に、もはや『プロジェクトA』はDNAレベルで刻み込まれていると思うくらいテンションあがりました。
で、続く『Mr.BOO』は自分でも意外ながら初見。ちょいちょい、ジョーズやらブルース・リーやらのパロディを入れていて時代性がぷんぷんする。BOOの最初の仕事がベルトコンベアで流れてくるジュースの空き瓶からストローを取る作業、ってせつな過ぎる仕事。。。無茶なアクションを軽い感じでやってしまうのはA同様、サイレント映画的ですてき。

2本観て、黄金の香港カンフー映画の時代が懐かしくもいとおしくてたまらなくなっちゃいました。
Aの時にはオープニングで一人熱烈に拍手をする人や、BOOの待ち時間に香港映画のマニアな話題(プロデューサーとか撮影とかのレベル)で盛り上がるひとたちなどもおりまして、非常にほほえましかったです。

にわかによみがえったカンフー熱さめやらぬままに、見逃していた『葉問 序章』と『葉問』もDVDで観ましたよ。これまた熱い。カンフー映画。

2012年07月07日

森崎東協賛者

『ペコロスの母に会いに行く』のクラウドファンディング。
http://motion-gallery.net/projects/pecoross

やっとチケット買って個人協賛者になったぜー。ひやっはー。
まあ、もちろん小額チケットなわけではありますが。。。

リンク先の動画で見られる、森崎監督の我が道を行く飄々ぶりが面白すぎるので見ていない人は要チェックだわ。新文芸座のトークショーで見た、茶目っ気たっぷりのつかみどころのなさは監督の素地なのだな、とあらためて関心してしまう。

そういえば、先日読んだ吉村昭氏の『旅行鞄のなか』という旅にまつわるエッセイ集の中で、たくさんの旅をしてきた中で、なんといっても人情豊かで好きだと書いているのが長崎。人それぞれに相性があるだろうけど、全国を取材旅行してきた氏がべた褒めならば、たとえその人情の半分しか味わえなくてもきっと楽しかろうなあ。30年くらい後の今はどうかしら。長崎、未踏の地なんですよねえ。

2012年06月05日

ペコロスファンド

森崎東監督『ペコロスの母に会いに行く』の、クラウドファンディング始まってました!
http://motion-gallery.net/projects/pecoross

キアロスタミ監督の時は知ったのが締め切りの数時間前で、あわあわしているうちに期限切れになってしまったやつ。今回はいくらのファンドにするか迷う時間があるわ。といっても高額は無理ですが。。。

3000円で前売り券2枚とか、種類によってはほぼ実費。
それが映画制作の支えに少しでもなると思うと、なにやらわくわくする。

さてさて、いくらにしようかしら。

2012年05月20日

森崎東監督新作決定!

森崎東監督が新作撮る!
http://www.facebook.com/Pekorosu
「ペコロスの母に会いに行く」という漫画が原作だそうな。
「公開は来年の夏を予定」だそうな。
あああ、森崎監督の新作を観られるなんて夢のような。。。
ありがたやありがたや。
これは、応援するためだけにFB登録するべきなのかも。
それ以外にも、キアロスタミ監督の新作の時みたいに個人出資制度とか取り入れてくれるといいなあ。
だって絶対観たいもの。
資金が足りなくて頓挫なんて万が一にもあって欲しくない!

原作も買わないとー。

2012年02月05日

戦ふコンチネンタル

1月の映画2本目3本目。
シネマヴェーラで『戦ふ隊商』と『コンチネンタル』。
残念ながら『戦ふ隊商』はフィルムの状態がかなり悪くて、夜のシーンがほとんど見えなかったり、かなりブツ切れになったり。字幕を追いぎみになってしまった。女性一人で幌馬車を扱う様や斜面を落ちる馬車に銃撃戦とかっこいいシーンと、老年コンビの掛け合いの気の抜け方(からのラスト)など、娯楽作として十分におもしろいはず。きれいなプリントで観たいよう。

『コンチネンタル』はアステア&ロジャース。ロジャースの美しすぎる身のこなしも素敵なのだけれど、やっぱりなんといってもアステアの無重力感に見惚れる。まあ、テーブルの上に土足で上がるなよーとか思いながらだけど。あと身支度を整えるシーンでのアステアの動きを良く分かっている粋な執事も素敵。イタリーの伊達男役はイタリーの人が怒るんじゃないかと思うようなカリカチュアぶりだけど、最終的にはどうにも憎めない人のよさが残ったなー。
そしてこちらのプリントは傷もなくきれいだったんだけど、あの「コンチネンタル」の群舞は超大画面で観たい!という欲が残る。1000人クラスの映画館の大画面で観たらどれだけ圧倒されるんだろう。映画は大画面で観ないとだめだぜ、という絵づくりが気持ちよい。

そういや若干興味がなくはなかった『モテキ』で、パフュームの曲まるまる1曲踊るというのを知って観る気をなくしたけど、「コンチネンタル」並みにすごいんだったらありなんだろうな。観てないからわかんないけど。

2012年01月18日

12月に観た映画

やっと「前月」のまとめまでたどり着いた。
追い込みの9本。

「50/50」
イケメン枠のはずのジョセフ・ゴードン=レビットが急にウッチャン顔になっていた衝撃。とても良心的な映画だし、友人くんの素晴らしさは文句のつけようがないし、アンジェリカ・ヒューストンも良かったものの、治療費やら仕事ができなくなった場合の生活費とかのお金に関する不安は一切なしでいられるクラスなんだなー、ていうかそもそも火山ドキュメンタリー作りだけで給料もらってんのか?出てくる人みんな一切金銭に不自由してなさそうだし、と気になったことの方が記憶に残ってしまった。

「ピザボーイ」
前作「ゾンビランド」はオタクテイストのゆるくだらなさと娯楽のきわきわに乗っかっていて、くだらなさへの気合の入り方がかろうじて娯楽へ比重を傾けさせた、その際どさが良いよね、な作品だったのだけど、これはだめだ。テイストは似てても、気が抜けてすっかりダメなほうへ転がり落ちた。あまり他所では見られなさそうなイカクジラくんのドライビングでも堪能するくらいか。

「黒魔術」
デュマの原作を読んだことがなかったので「カリオストロの城」の元ネタがこの小説だと初めて知った。日本初上映なのだから宮崎駿氏もこの映画は観ていないと思うのだけど、アニメのカリオストロはそういやオーソン・ウェルズに似てる。という横道の感想もいろいろ出てきたけど、なんという面白さ!オーソン・ウェルズほど、あの能力を顔力だけで表現できる人はいないのではなかろうか。特殊能力と開き直りでどんどんのし上がっていくオーソン・ウェルズの韜晦ぶりと非道さもたっぷり堪能。とてつもない力と空虚さが拮抗していてどきどきする。

「キング・コング」
オリジナル版をきちんと観るの初めてだ、と思ったら日本語吹き替え版だった。。。恐竜とかと戦うのはオリジナルからの設定だったんだな。キング・コングもすごいとは思うけど、みんなそっちは完全スルーなんだなー。かくかく動くキング・コングの表情がかわいらしくしか見えないのがまた良ろし。

「CUT」
すごいものを観てしまった。これは狂気の映画。主人公は一種の狂人。拡声器片手に「映画は殺されている!」なんて街頭演説してる人とは目あわせられないし。自分の腹に名作映写して恍惚としてるし。それでも上映会の前説の話し振りから、ただの傲慢野郎じゃないことがわかる。だから誰もが主人公を見捨てない中の、その一人になる。
100本カウントが始まった瞬間に涙腺が勝手に崩壊した。号泣とは違うんだけど、ぼろぼろ出てきて止まらなくなった。たぶんきっと、あまりに狂気的なまでに純粋な愛にやられたんだと思う。監督の選ぶ100本。そのセレクションについては賛否を受けるであろうことは必至。それは自らをこぶしにさらす主人公に重なる。自分をあまりに直接的にさらす。どんだけの覚悟決めてんだ。狂気の愛ゆえに。
主人公の耳が一瞬聞こえなくなるシーンがすごく怖かった。貴子さんがそっと抱きしめるシーンがすごく良かった。菅田さんの背中、笹野さんの煽り。

「タンタンの冒険」
タンタンのビジュアルにすごい不安があったんだよー。アゴ割れてるし。しかしねえ、導入部の素晴らしさによって、するりと入り込んでしまった。少年のやんちゃぶりや負けん気ぶりがちょっと強調されているこのタンタンもいいなーと。それにスノーウィの大活躍。アクションのわくわく感。たいそう楽しんだ。しかし、3Dで面白かった映画は今度は2Dでじっくり落ち着いて見たいと思ってしまう、っていうのは問題ですか。。。

「底抜け右向け!左」
観に行ったら字幕なしのお詫びが貼られてた。どうしようか迷ったけど観てみる。全然聞き取れなかった。でもまあ、喜劇なので何とか乗り越える。ネイビーはグレイビーでアーミーはビーンズ。

「マルタの鷹」
フィルムの状態が悪くて暗い。。。あまりにハードボイルドすぎて、悪玉の親分とカイロのコンビちょっと抜けている感じにほっとしてしまう。葉巻が壷みたいなものに入ってたのと、カットしないで吸ってたのが気になる。

「宇宙人ポール」
なんといってもポールのキャラクターが最高。この主役コンビのものらしく、オタク的引用ねたは(多分)山ほど盛り込まれているのだけど、そんなこと知らないで観るのもよし、の感が最高潮かも。ロードムービーとして、青春(?)ものとして、友情ものとして面白い。で、やっぱりポールが最高。一年の締めくくりをこの映画にして正解だったと思える「笑えて泣ける」映画でした。あとアメリカのコミコンとやらはバラエティ豊かで若干面白そう。

2012年01月16日

11月にも映画は観た

昨年の宿題、11月編。
月の頭に台湾に行ったりもしたので、ぐぐっと減ってほんの4本。

「ゴモラ」
シティ・オブ・ゴッドと比較宣伝されていて、こちらの方が地味め。けど、細い血管がめぐるように町のすみずみまで組織が浸透している怖さはこちらの方が上かも。数人をクローズアップして組織のいろいろな側面を描きながらも、上層部は見えてこないというのがなんとも。盗んだ銃を試しうちするシーンでのロケットランチャーには、あまりのことに場内で笑いが起きた。トラックを運転する子供たちのシーンはぐっときた。ごみ処理仕事見習いの青年が、おばあちゃんのりんご(だっけ?)を捨てることに痛みを感じてくれてよかった。パタンナーと中国人工場主の空気穴越しの「たらがまた食べたいなー」的なのんきにも心温まる会話がすごく好き。その後がせつないけど。

「サウダーヂ」
「ゴモラ」をより印象深くしたのは翌週に観たこの映画の効果かもしれない。今の甲府の町を描く。そこにはブラジル人町があり、シティ・オブ・ゴッドのあの町からの出稼ぎ者も数多い。甲府は、シティ・オブ・ゴッドもゴモラもつなぐ町になってしまったよ、私の中で。
とにかく丹念に取材されたうえで作られていることのわかる映画。それに、役柄がほとんどそのまま本人の日常である人も多く出演している。「町」がこの映画の中にはあって、それはでも、そこに住んでいる人でも意識しなければ認識することはできない。甲府だけじゃなくて、どんな町でもきっとそう。
知らなければただの地方都市。でも、そこは世界の中の世界とつながっている一つの町だった。気づけるけれど気づかない、そういうことを見せてくれた映画。

「生き残るための三つの取引」
韓国には味のある顔の俳優さんがまだまだいっぱいいるなあと改めて感心。土下座はパンいちでするものなのかという衝撃。最初はハードボイルドに決めているように見えた主人公があれよあれよという間に情けない俗人ぶりをむき出しにしていくシビアさを見るのははなかなかのもんです。すごくシビアな話なのに堅苦しくはない、でも変に媚びてない。こういう映画観ると韓国映画すげーなと思う。韓国のピエール瀧(似)がまた名バイプレーヤーぶりを発揮。

「モンガに散る」
台湾に行ったばかりだったし、思い出スポット龍山寺周辺の話で何かと感慨深い。ということは別にしても、面白し。イケメンもそうでないのも、若者たちがみんないい顔しててよろし。鳥モモ肉の弁当うまそうすぎ。あと、台湾ではほとんどないらしい、正月娯楽映画を張れる国産映画を撮ったるぞ!という監督の気概も感じられる良作。

2012年01月13日

10月に観たよ観たはず

昨年の10本とか選んだ後に続けるか、という感じですが、昨年の宿題をどうにか終わらせたいものです。
10月に観た映画はなんとすべて新作。私にしてはとても珍しい。これは自分の誕生月で、最寄の吉祥寺では映画が1000円で観られるから、というのも影響しておりますね。
そんな8本。

「ザ・ウォード」
かんぺいた!描かれているネタにはなんの新しさもないし、ネタばれだって早い段階で薄々。でもそういうことは関係なしに存分に面白い。嵐の夜のダンスははかなくて美しくて甘酸っぱい。

「ハンナ」
美少女戦闘員というプロットには萌えるけど、白銀の世界のサバイバルつながりの「エッセンシャルキリング」と比べると、こっちの方が「戦ってる」のに「運動性」は負けている。父親は娘に殺人を任せてなにがしたかったのかもよう分からん。いまいち中途半端であまり記憶に残っていません。

「アクシデント」
殺人ピタゴラスイッチの連発。ジョニー・トーとは一味違う、爽快さのない苦い世界。観た後もちょっとつらい気分が残るよ。。面白かったけど。

「猿の惑星創世記」
狂気の科学者ジェームス・フランコがスパイダーマンシリーズでは果たせなかった世界滅亡を意図せずして成し遂げてしまう映画でした。

「イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ」
単純にバンクシーの絵と活動のかっこよさにしびれもした。グラフィティアートに免疫がないからというせいだけじゃないと思う。バンクシーという人の知性とユーモアがとても刺激的で、観終わった後はとてもわくわくするような、心が沸き立つ気分がしばらく続きました。

「キャプテンアメリカ」
「アイアンマン」が1本の映画としてとても優れているのに比べると、これはどうにも次に控えているヒーロー大集合映画「ジ・アベンジャーズ」に向けて、「やべー、キャプテンアメリカだけまだピンで作ってなかったじゃん」という間に合せみたいな感じで、要約版のようなストーリー展開だったのが残念。めちゃくちゃ目立つ盾を背負っての敵地侵入は笑ったけど。

「さすらいの女神たち」
もちろんマチューを堪能するのも楽しみの一つだけれども。しかしこの女神たちのあられもない力強い美しさはどうなのよ。そしてその彼女たちのパワーをコントロールしきれないのかうまいこと扱っているのかの際どさがまた、マチューに良く似合うこと。けっして「フレンチカンカン」のギャバンのようにはなれなそうなその弱さがまた素敵。2人で過ごした夜の後とそれに続くラストの女神たちとの酒宴は、「パレルモシューティング」のラストにも通じる何かしらの「再生」と優しさがあって、それもまた素敵。

「ボクシング・ジム」
プロからVIP、赤ちゃん抱えたお母さん、虚弱体質児童まで受け入れるボクシングジムの様子、が毎度のことながらどうしてこんなに面白いんだワイズマン。彼らの雑談を聞きながら、稽古をする姿を見つづけて、ふと見せられる都会の遠望。愚直すぎる感想だけど、ビルしか見えないその俯瞰の町の中にあの場所があってあれだけのさまざまな人が入り乱れているということをこうして見ることができたことへの驚きというか、充実感というか。にしても、ワイズマン特集はこれ1本だけ。またしても通えなかった。もっと観たかったー。

2012年01月08日

2011映画ログ

あけましておめでとうございます。

今年も思い出したら更新していく感じのブログとなります。みなさまも思い出したときに覗いていただけるとこれ幸い。

さて、一応は去年のまとめをしておこうかと重い腰をあげてみました。
被災はしませんでしたが、やはり震災以前以降と記憶に隔たりがあったり、振り返るとなにかと気持ちは揺らぎます。
とはいえ、映画鑑賞本数は一昨年の2010年よりも増えているという。なにかあれだ、映画を観る以外にもっとやるべきことがあるんじゃないかと、逆にダメ人間的後ろめたさを感じることも間違っていることはわかっているんですよ、の83本。
ちなみに旧作40本、新作43本でした。


[新作一覧]
ゴダール・ソシアリズム
キック☆アス
アンストッパブル
僕が結婚を決めたワケ
ソーシャル・ネットワーク
ウッドストックがやってくる!
ザ・タウン
ヒアアフター
トスカーナの贋作
ザ・ファイター
ファンタスティックMr.Fox
ブンミおじさんの森
イリュージョニスト
トゥルー・グリッド
メアリー&マックス
スコット・ピルグリム
ブラック・スワン
東京公園
スーパー8
メタルヘッド
大鹿村騒動記
モンスター
ハングオーバー2
ツリー・オブ・ライフ
エッセンシャル・キリング
スーパー
世界侵略:ロサンゼルス決戦
パレルモ・シューティング
ザ・ウォード
ハンナ
アクシデント
猿の惑星創世記
イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ
キャプテンアメリカ
さすらいの女神たち
ボクシング・ジム
ゴモラ
サウダーヂ
50/50
ピザボーイ
CUT
タンタンの冒険
宇宙人ポール

さてこの中からお気に入りを10個抽出するならば、
アンストッパブル/ヒアアフター/ブンミおじさんの森/イリュージョニスト/メアリー&マックス/東京公園/大鹿村騒動記/エッセンシャル・キリング/パレルモ・シューティング/サウダーヂ
あたりでしょうか(観た順)。
5〜6個はそのときの気分で入れ替わります。

ウッドストックがやってくる!/ザ・タウン/ザ・ファイター/スーパー/さすらいの女神たち/ボクシング・ジム/タンタンの冒険/宇宙人ポール
あたり捨てがたいです。9作あるけど。。

ちなみにお気に入りでないのは、
キック☆アス/ツリー・オブ・ライフ
とはいえ、既にほとんど記憶にない映画も何本かあるので、それらに比べると観た甲斐のある映画ということになるのかもしれません。


[旧作一覧]
社長太平記
三等重役
愛怨峡
山椒大夫
自動車泥棒
散歩する霊柩車
好色元禄○秘物語
ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども
独立愚連隊
独立愚連隊 西へ
エグザイル/絆
ブレイキングニュース
晩菊
女の中の他人
僕の伯父さん
みな殺しの霊歌
瞼の母
沓掛時次郎 遊侠一匹
浪人八景
アギーレ/神の怒り
クリスマス・ストーリー
幸せの雨傘
コブラ・ヴェルデ 緑の蛇
My Son,My Son,What Have Ye Done
ローラーガールズ・ダイアリー(爆音)
AKIRAデジタル・リマスター版(爆音)
ゼイリブ(爆音)
アンストッパブル(爆音)
バッド・ルーテナント(爆音)
クリーン(爆音)
現代やくざ血桜三兄弟
ジーンズブルース 明日なき無頼派
ニワトリはハダシだ
生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言
生き残るための三つの取引
モンガに散る
黒魔術
キング・コング
底抜け右向け!左
マルタの鷹

旧作については、岡本喜八の愚連隊シリーズ、ジョニー・トー特集、ヘルツォーク特集にやられました。あと、周回遅れながら『ローラーガールズ・ダイアリー』はすばらしい。『党宣言』は念願の初鑑賞。あと、お正月を森繁久弥の喜劇で迎えられたのは良かったなーと思い返してみたり。
しかし、何らかの形で戦っている作品が好きな年だったかもです。

2011年11月18日

9月に観た気がする映画

9月にも映画観てたんですね。
9本。

『クリーン』
バウスの爆音で。いつか観ようと思っていてやっと。
旦那の父親の立派さが過ぎて泣ける。死を見つめているからこそというのも含めて。いわゆる地味に真っ当な道こそが「再生」とは限らないということまでもひっくるめて受け入れてくれる、こんな懐の深いおじいがいていいのか。
子どもがスクーター後部座席に乗る時の、くいっと曲げてこちらに向けられる足のかわいらしさといったらない。

『エッセンシャル・キリング』
ひたすら男が走る、それだけの映画。が、こんなに面白い。ギャロの情け無さたっぷりの息切れと真っ白な世界で構成される緊迫した空気の中に、鹿のもふもふアップとか、魚釣りのおじさんの「おっさん後ろ後ろ!」とか、衝撃の母乳プレイなどが挟まれて、うへへーともなる。
スコリモフスキ特集行っておけばよかったと、存分に後悔。

『現代やくざ血桜三兄弟』
とにかく、文太ってこんなに男前なの?としびれる。「もぐら」の怪演と「マリリン・モンロー」は未だにたまに脳内再生される。

『ジーンズブルース 明日なき無頼派』
どうやったらそういう形で指が切れるのか。。。ハンチングのせいか、若くてかわいらしい顔立ちの渡瀬恒彦がときどき阿部サダヲにみえる。ばかで純情でかわいいよ。とはいえなんといっても梶芽衣子。かっこよさを存分に味わう。

『スーパー』
これを観る誰もが『キック・アス』との兄弟性に言及し、どっちの方がより好みだという評価を下すのだろうね。で、私は断然こちらだ。簡単に人が死にすぎるのはどちらも同じでも、この映画にはちゃんと孤独と哀しみがある。
てことはおいといても、ケヴィン・ベーコンの人でなしぶりとエレン・ペイジのイカれっぷりが素晴らしい。

『ニワトリはハダシだ』
『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』
新文芸座の原田氏追悼特集。ニワトリは2度見てもますますすばらしい。
そして党宣言!やっと観た。ここまで描いちゃうんだ!という原発ネタ。どこにも逃げられないさー。
2本とも原田氏はかっこよく、倍賞あねごもかっこよく。猥雑さがたまらなくいとおしくなる。
私やっぱり森崎氏が日本でいちばん好きな監督だ。

この後の森崎東監督のトークショーのまとまらないことといったら!何を振ってもはぐらかす飄々振りに笑った。あー、あとお願いします、でトークの半分こなしてたぞ。

『世界侵略:ロサンゼルス決戦』
前半の揺れすぎるカメラにうんざりしたけど、後半になるにつれてあまり気にはならなくなったので良かった。海岸線の俯瞰は一瞬だけど、やっぱりちょっと気持ちがかき乱された。結構面白かったんだけど、なにかあともうひとつ。。。つーか敵、弱いな。

『パレルモ・シューティング』
ジャームッシュが白ブリーフならヴェンダースは黒ボクサー。・・・なぜ主人公をパンツいっちょで立たせたがるか。カンピーノの全面これ筋肉のような顔面も時間がたつにつれ男前に見えてくる不思議。デニス・ホッパーの白塗りつるっぱげというハンデも軽く飛び越える「そんなことを言われたのは初めてだ」の愛らしい表情は何なんでしょう。
これもまた、何かが「再生」する過程。再生の朝の光。
よく分からないままに観終わって、何か気持ちを揺さぶられていることに気付く映画。

2011年11月17日

そういや8月に観た映画

なんか8月にも映画観た気がするわー。
でも3本ぽっちでした。

『モンスター』
シアターNらしい低予算怪獣物。そもそものトラブルに巻き込まれる発端が酔っ払い男のだらしなさだったり、危険地帯を乗り越えていく困難はそれほどでもなかったり、CGがCG感まんまなトホホはあるものの意外とおもしろかった。地球外生物の切ない逢瀬がなんといっても画期的でしょう。

『ハングオーバー2』
バンコク行くんでせっかくだからと、行く直前に観た。指はさすがに取り返しつかなすぎでしょう…と鑑賞後感がすっきりしなかった私はまじめ過ぎか。。。
あの屋上レストランのあるホテルにも泊まったけど、上には行きませんでした。

『ツリー・オブ・ライフ』
まさか地球創生まで見させられるとは思わなんだ。観てる時は自分の中でどう処理すればいいのか分からなかったけど、宗教的過ぎるし母親像が気持ち悪すぎる。ともあれ退屈な映画でした。

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