2008年05月08日

『フレンチ・カンカン』

これまた初スクリーン。
そりゃもうなんてったって色彩が違う、そして画面の大きさがとても大切。惜しむらくはbunkamuraの中途半端な大きさで観てしまったことだな。フィルムセンターで観れば良かった。大画面こその迫力とか、効果とか、そういうことじゃなくて、ただ大きければ大きいほどに幸福感が阿呆のように天井知らずに増幅していく、そういう映画だから。もっともっと圧倒的に呑み込まれたかったよ、あのフレンチ・カンカンの渦に!

『フレンチ・カンカン』絡みで大好きなエピソードがある。金井美恵子さんが子供の頃に映画館で観て、家に帰り着くなりタンスから母親のペチコートを引っぱり出して姉妹してカンカンをひっちゃかめっちゃかに踊ったという話。それはビデオで観たときからその昂揚感に同感したし、子供の頃にそんな体験をしているなんて何て幸せなんだろうとうらやましく思ったのだけれど、今回はむしろ、よくも子供が家に帰るまでその興奮と衝動を我慢できたものだと思ってしまった。
それほどに、その場で暴れ出したくなるほどの昂揚感!

でも、体いっぱいにわくわくを充満させて町を歩き、はちきれんばかりの気持ちが遂に衣装とステージ(家)を得て大爆発!なんていうのは、まるで映画の中の、ステージを待つカンカンの娘たちそのままじゃないか。うーんやっぱり、何て幸福な体験。

それにしてもこの映画は『黄金の馬車』の切ないけれど毅然とした幸福感と『恋多き女』なんかの、幸福感に満たされるととにかくみんな愛し合っちゃう、という2重の幸福感が溶け合う映画だったんだな。その溶け合いがまたなんとも涙がでるような感じ。

今回妙に気に入ったのはニニが大公に告白されるシーンで、場違いにカマンベールを持っていることをニニが恥じらって隠そうとする仕草。その様子も花と木の円形の箱に入っているカマンベールとの組み合わせも、何だかとてもかわいらしくて。
とはいえ、どこを切っても『フレンチ・カンカン』。どの瞬間も好きすぎる。


監督:ジャン・ルノワール
1954年
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