2008年05月07日

『狩人の夜』

以前にビデオで観ていたけれど、初スクリーン。
題名通り夜のシーンが多いので、きっとまるで違う感じだろうと思ってた。そうだった。

冒頭のあのシーン。星の輝く夜空が、なめらかな手触りを持つ何か、例えばビロード、いやもっと濡れたような黒で、ビデオで観たときには如何にもらしさに笑ってしまった子供達の顔が浮かび上がる夜空という絵面も、そのなめらかさに溶け合うように顔が輝く美しさに妙に心打たれてしまい、思った通り私は‘初めて’『狩人の夜』を観るんだとわくわくした。

そしてやっぱり川下りのシーン。夜の川を下る子供達の舟を奥に、手前の岸にいる動物たちが映し出されるという構図そのものはもともと好きだったけれど、その動物たちに当たる光の美しさといったら!カエルのぬるりとしたなまめかしさ、うさぎの小刻みに動く毛皮のふんわりとした誘惑…。フクロウもネズミも、映し出されるその瞬間瞬間にみとれてしまう。

何だろう、何がどうなっているのやら、映し出される全てのものに異常なほど的確な光(と影)が当てられているような気がするからか、その執念のようなもののせいなのか、とにかくドキドキする。

宝石箱でも、おもちゃ箱でも、「大事なもの箱」でもいいけど、誰かが大事に美しく作り上げて隠しておいた箱の中の世界をこっそり覗いているような、密やかな愉楽のような映画だ。

それにしても主人公の男の子の毅然とした顔といったらなんてきれいなんだろう。しかし、それ以上にロバート・ミッチャムのおむずかりのご様子が愛らしすぎる、って今回気がついた。


監督:チャールズ・ロートン
1855年
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