2013年01月24日

『阿賀に生きる』

佐藤真 1992年
ニュープリント上映@ユーロスペース
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じっさま、ばっさま、おひさしゅうございます。
観るたびにきっと違う魅力が見える映画。
特に今回はニュープリント。
朝顔の色鮮やかさに初めて気づく。木枠の窓から入り込む蔓のくるくるのかわいらしさと瑞々しさったらない。
川面を自在に動き回る川舟集団のシーン。
もしかすると初めて観たときは木の舟につけられたエンジンを無粋だと思ったかも。けれど今回はそんな思いは微塵も湧かず、水面をすべるように進む川舟たちはそれこそ水をえた魚のように見えるし、エンジンを巧みに操るおじさんたちは喜びと誇らしさにふくれあがった子供のようにも、川の神様たちのようにも見えて、やたら印象強い。
地裁に入っていくばあさまたちの背中もあまりおぼえていなかった。とても力強いようにも、とても弱々しいようにもみえるひとかたまりの背中。待ち構える報道カメラの中で、背中を追うこの映画のカメラだけがばあさまたちの側にいるようでなんだか泣きそうになる。

しかしやっぱり、じっさま、ばっさまたちに再び出会う喜びはひとしお。
ニュープリントで頬のつやはよりぴっかり、かっこいいしわはよりくっきり。
あんぱんを前に笑顔で寝ているばあさまはまるで観音さまのように福々しいし、おもちはより熱々にみえるし、肥料袋の前掛けだってよりビビットでかっこいい。

数年を経て観なおして思うのは、きっとこの先年を経て自分の親も自分の世代も登場人物の年代に近づいていくほどに、また見えてくるものが違うんだろうなと。それでも常に、この人たちのもつ豊かさというものはきっとずっと感じ続ける。そんで、どんな土地に行ってもそういった豊かさの片鱗を感じる糸口になってくれる。東京砂漠の根無し草生活のひ弱い身には正面きって受け止めきれないほどの力強さと豊かさなわけだが。。。

絵にかいただるまさんもおどりだす とろっこばったん。
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