2005年09月05日

『もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵/よろこびの渦巻』

■TVの深夜枠以外ではありえないシュールな黒沢清監督の2作品。それぞれ1990と1992年の作品というが、85年に『ドレミファ娘??』、同じ92年に『地獄の警備員』があると思うと、とにかくこの期間の黒沢さんは、大勢の人に分かってもらえなくて良いですからっ!という体制だったのではないかと疑う。両作品とも偶然TVで見てしまったら、なんじゃこりゃワカランと思いつつも何かが心に引っかかって消化不良を起こし深夜ドラマに対するトラウマを植え付けられていたかもしれない。ましてやこの頃といえばちょうど椎名誠もたくさん読んでいた高校時代にかぶるわけで、ついうっかり観てしまうということがなくて本当によかったと、胸をなで下ろす次第。
■『活字??』大杉蓮の怪演についてはもうコメントのしようがありません。同じ黒沢作品常連の諏訪太朗氏はずっと禿げてるのにはげっぷりに変化がないようなのが気になります。いつも一癖ある脇役がいい味ですが、今回は主役としてがっつり全体の味をまとめてる。にしてもへんな話。
■『よろこび??』これまたへんなの。突然スパナで殴る/殴られる、のテンポは黒沢作品らしい。ためらいのない唐突な暴力は何度観てもその両者の要素の相容れ無さに笑いを引き起こされる。それってなんなんだろう。それにしても彼は20数年殴られ続けているのですか?なにゆえに?おまけに最後は意味もなく刺されてるし。横移動撮影と全員が音痴という変な〆の歌の流れは笑う以外に対処のしようがありません。
■どっちの原作も読んでいると思ったんだけど全然思い出せない。
■ここから考えると、『回路』で妙な棒読みセリフで観る人間を半笑いにさせる武田真治こそが黒沢作品出演者の正統な後継者なのか、と思えなくもなく、複雑な気持ち。さらに『ココロ、オドル』はこの流れにつらなるものなのか。『よろこび』で土手を列になって行進するのと似た光景が『ココロ』にもあったな。そして『活字』で意味もなくべたべたと貼られた色とりどりの付箋紙は『ドレミファ??』の浪人生の部屋からの継承?そういえば『活字』の冒頭でゴミ捨て場にゴミ袋が大量に置かれていたのに、しかもその前を2人が走るのに、誰もそのゴミ袋に突っ込まなかったのが意外だ。黒沢作品なのに。て、黒沢マニア的な発言しか出てこないのでこの辺にしよう。

■万人に薦められる作品ではないけれど、なんじゃこりゃ、と言いたい人、でもあっさり切り捨てることもできないモヤモヤ感を味わいたい人などには非常にオススメいたします。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/16624482

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。