2004年10月24日

『モーターサイクル・ダイアリーズ』

■ゲバラのように実在の人物であり、多くのエピソードや伝説に取り囲まれている人物の映画を観に行くのはちょっこり不安。あれもいれたいこれもいれたい、で結局視点がばらけて疲れるだけの映画になりがちだからですね。その点、これは旅行中のゲバラ(とアルベルト)に焦点を絞っていてほっとした。当時の「吸収していくゲバラ」に未来の「活動家ゲバラ」を重ね合わせないようにとても慎重に描かれているように思う。その分、最後の「その後の二人」テロップは我慢しきれなかった感があって残念。最後まで我慢しきって欲しかった。
■現地の「しいたげられた人たち」の描き方にやや物足りなさを感じた。ゲバラが出会い、彼に変化をもたらす象徴として描かれる人々は皆苦悩の顔をし、苦悩を語る(子どもとハンセン病患者たちは笑顔を見せるが)。苦悩の人々にも毎日の生活があり、そこにはあらゆる側面があるはずだ。キアロスタミが『そして人生はつづく』でサッカーを観るためにアンテナを立てる青年を描いたように、たとえどんな苦難の中にも、そこに生活がある限り、楽しみや喜びはあるはず。苦悩だけではない彼らも描いてほしかった。チリでのダンスパーティー(ここのおばちゃんの歌ステキ!)のように娯楽のある人々と、そうでない人々が分離してしまっていたのが残念。とはいえ、これは当時のゲバラの視線としての映画なのだろうから、あえてゲバラからの側面だけを描いたのかもしれないけれど。
■と、けちをつけたとはいえ、現地の人々とふれあい、自分たちの中にどんどん吸収していく二人の旅の様子は、いかにも「旅」で、とてもうらやましい。市場でいろんな人々と話すゲバラの生き生きした感じはとても好きだしすてきだ。きっちり旅に行きたくさせられた。
■マチュピチュへ登っていく断崖のような山の空に突き刺す感じには胸をつかれた。あそこを登りたい。途中で絶対足が動かなくなるけど。
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