2009年01月06日

『アンダーカヴァー』

ちょっとひねくれてみた育ちの良いおぼっちゃんが、悪に真っ向からさらされて、まっとうになる。そんな特にひねりのない話を、順当に決着まで見せる。ふむ。

あらすじで映画を観るな。

観終わった瞬間は、なかなかおもしろかった、という程度の感想。でも、なにがどうおもしろかったんだろう、と改めて考えるうちに、思い返すありとあらゆるシーンに涙。
ついでに古き良きフィルム・ノワールを思い出したり、ダーティ・ハリーを思い出したり。

なによりホアキン。もしかしてホアキンはイーストウッド並みの強度を持った役者なんじゃなかろうか。少なくともこの映画のホアキンはすごすぎる。ぐっとこらえる表情、恐怖に震える表情、そういった顔を長すぎず短すぎず映すスクリーンに目が釘付けになる。単純すぎるかもしれない心境の変化も、ホアキンのその表情があることで説得力を持つ。
そして、あの指先。許しを請うようにそっと足先に、指先にふれる手。主人公が、表裏を問わず、周囲の人間みんなに愛されることも、あの畏れを知る指先が納得させてくれる。
そういうことを、言葉ではなく、説明的な映像でもなく、そっと映されたシーンで想像することができるのはずいぶんとしあわせ。

カーチェイスのシーンもずいぶんと好きだ。揺れすぎず、切り返しすぎず、奇をてらいすぎず。近頃観たカーチェイスシーンでの不満をここでは一切感じなかった。それに、転げ出るホアキン…涙。

決着しながら、何の達成感も幸福感も見せない、それでいて、過剰に悲愴ではないラストシーンも好きだ。

ともあれホアキン、役者やめないで!
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